東京高等裁判所 平成11年(行ケ)185号 判決 2000年3月30日
原告
ボールドウィン商事株式会社
代表者代表取締役
【A】
訴訟代理人弁理士
【B】
同
【C】
被告
ニッカ株式会社
代表者代表取締役
【D】
訴訟代理人弁護士
又市義男
同弁理士
【E】
同
【F】
主文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は原告の負担とする。
事実
第1原告が求める裁判
「特許庁が平成9年審判第9091号事件について平成11年4月26日にした審決を取り消す。」との判決
第2原告の主張
1 特許庁における手続の経緯
原告は,名称を「印刷機のシリンダ洗浄装置」とする特許第2119565号発明(昭和63年6月30日特許出願,平成8年12月20日特許権の設定登録。以下「本件発明」という。)の特許権者である。
被告は,平成9年5月30日に本件発明の請求項1,2及び4ないし6の特許を無効にすることについて審判を請求し,特許庁は,これを平成9年審判第9091号事件としてその審理を始め,原告は,この審理の過程で,平成9年10月18日に願書添付明細書(以下「当初明細書」という。)の訂正を請求し、平成10年12月7日に同訂正を補正した(以下,補正後の訂正を「本件訂正」という。)。
特許庁は,平成11年4月26日に「特許第2119565号発明の明細書の請求項第1項、第2項、第4項ないし第6項に記載された発明についての特許を無効とする。」との審決をし,同年5月26日にその謄本を原告に送達した。
2 本件発明の要旨となる特許請求の範囲の記載(別紙図面A参照)
(1) 当初明細書記載の特許請求の範囲の請求項1(以下「当初明細書記載のクレーム1」という。)
「布供給ロールと布巻取りロールと前記両ロール間に張り渡される帯状の洗浄布と洗浄時に前記洗浄布を印刷機のシリンダの外周に押圧する手段とを有する印刷機のシリンダ洗浄装置において、前記布供給ロールが、洗浄液を含浸させた前記洗浄布を覆い洗浄液の蒸散を防ぐ洗浄液蒸散防止手段を備えたことを特徴とする印刷機のシリンダ洗浄装置。」
(2) 本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1(以下、「本件訂正後のクレーム1」という。)
「布供給ロールと布巻取りロールと前記両ロール間に張り渡される帯状の洗浄布と洗浄時に前記洗浄布を印刷機のシリンダの外周に押圧する手段とを有する印刷機のシリンダ洗浄装置において、洗浄液を含浸させた洗浄布からなる布供給ロールと、前記布供給ロールを覆い洗浄液の蒸散を防ぐ洗浄液蒸散防止手段とを備え、前記洗浄布全体への洗浄液の含浸が前記洗浄液蒸散防止手段で覆う前かつ洗浄装置に装着する前に行われていることを特徴とする印刷機のシリンダ洗浄装置。」
3 審決の理由
別紙審決書の理由写しのとおり。なお,審判手続における甲第1号証(本訴における甲第2号証),審判手続における甲第3号証(本訴における甲第3号証)を,以下,それぞれ「引用例1」,「引用例2」といい,引用例1,引用例2に記載された発明を,それぞれ「引用発明1」,「引用発明2」という。
4 審決取消事由の要点
審決は,本件訂正後のクレーム1が独立して特許を受けることができるものでないと誤って判断したため,本件訂正を認めず,本件発明の技術内容を当初明細書記載のクレーム1に基づいて認定し(取消事由1),また,仮に当初明細書記載のクレーム1に基づいて本件発明の技術内容を認定したとしても,本件発明の進歩性は肯定されるべきであるにもかかわらず,これを否定したものであって(取消事由2),違法であるから,取り消されなければならない。
(1) 取消事由1(本件訂正を認めなかった誤り)
本件訂正後のクレーム1(これによって示される発明を,以下,審決にならい.「訂正発明」という。)と引用発明1の相違点が,審決認定のとおり,「訂正発明では、洗浄液を含浸させた洗浄布からなる布供給ロールと、布供給ロールを覆い洗浄液の蒸散を防ぐ洗浄液蒸散防止手段とを備え、洗浄布全体への洗浄液の含浸が洗浄液蒸散防止手段で覆う前かつ洗浄装置に装着する前に行われているのに対し、刊行物1記載の発明(判決注・引用発明1)では、そのような構成が備えられていない点」(審決書17頁5行~12行)であることは認める。
審決は,上記相違点につき,引用例2の記載を引いたうえ,訂正発明も引用発明2も,「布供給ロールをシリンダ洗浄装置に装着する前に、あらかじめ洗浄液を洗浄布に含浸させる」(審決書18頁7行~9行)ものである点で同一であるとの前提の下に,そのように含浸させる場合に,引用発明2のように洗浄液蒸散防止手段の中に洗浄液と洗浄布を収納して洗浄液の洗浄布への含浸を行うか,訂正発明のように洗浄布全体に洗浄液の含浸を行ってから洗浄液蒸散防止手段に装着するかは,当業者が適宜選択し得る設計事項にすぎない旨判断している。
しかしながら,引用発明2は洗浄液の洗浄布への含浸を洗浄液蒸散防止手段(容器)の中で行うものであるから,洗浄液を洗浄液蒸散防止手段の中に収納することが要件となり,したがって,洗浄液蒸散防止手段の構造が複雑になるうえ,洗浄装置を作動しながら洗浄液の洗浄布への含浸を行うので,含浸条件の調整も複雑にならざるを得ない。 これに対し,訂正発明の構成は,洗浄液の洗浄布への含浸を,洗浄布が洗浄液蒸散防止手段に収納される前に,洗浄装置の外部で行うものであるから,洗浄液を洗浄装置の中に収納することは不要である。そして,このことは,本件発明に係る当初明細書の以下の各記載(これらの記載は本件訂正の対象となっていない。),すなわち,「本発明の目的は、洗浄布への洗浄液の供給装置を省略した印刷機のシリンダ洗浄装置を提供することである。」(甲第4号証・特許公報2頁左欄30行,31行),「上記目的は、洗浄現場で洗浄直前に洗浄布の一部に噴射装置等により洗浄液を含浸させるのではなく、洗浄布供給者の工場等において、洗浄布全体に洗浄液を含浸させ密封したものを使用することにより達成される。」(同2頁左欄33行~36行),「洗浄布に洗浄液を含浸させ、洗浄液蒸散防止手段で覆った状態で出荷し、洗浄装置にそのまま装着して用いるので、シリンダ洗浄装置そのものには洗浄液供給系統を設ける必要が無くなり、その分の機構の設置スペースや制御手段が不要となる。」(同2頁右欄17行~21行),「洗浄液を含浸させた洗浄布は、筒状のケースに収納してカセット化するか、通気性が無くごく薄いフィルムをラミネートして供給されるから、洗浄液の蒸散を防止でき、取り扱いが容易になる。」(同3頁右欄4行ないし7行)との記載から明らかである。したがって,訂正発明においては,洗浄液蒸散防止手段は簡略な構造で十分であるうえ,洗浄装置の作動前に洗浄液の洗浄布への含浸を行うので,含浸条件の調整も容易である。
このように,上記相違点に係る訂正発明の構成は,顕著な作用効果をもたらすものであり,これに係る引用発明2の構成の有する作用効果との間に大きな相違があるから,これを単なる設計事項とした審決の判断は誤りである。
2 取消事由2(当初明細書記載のクレーム1の進歩性についての判断の誤り)
仮に本件訂正が許されないとしても,当初明細書記載のクレーム1における「洗浄液を含浸させた前記洗浄布を覆い洗浄液の蒸散を防ぐ洗浄液蒸散手段」という記載は,洗浄液の洗浄布への含浸が,洗浄布を洗浄液蒸散防止手段で覆う前(洗浄装置に装着する前)に行われることを意味することが明らかであり,したがって,当初明細書記載のクレーム1の構成も訂正発明の構成と同一の顕著な作用効果をもたらすことができる。したがって,引用例2の記載を論拠として当初明細書記載のクレーム1の進歩性を否定した審決の判断も誤りである。
第3被告の主張の要点
原告の主張1ないし3は認めるが,4(審決取消事由の要点)は争う。審決の認定判断は正当であって,これを取り消すべき理由はない。
1 取消事由1(本件訂正を認めなかった誤り)について
原告は,訂正発明の構成は,洗浄液の洗浄布への含浸を,洗浄布が洗浄液蒸散防止手段に収納される前に,洗浄装置の外部で行うものである旨主張する。
しかしながら,本件訂正後のクレーム1には,原告主張のような技術的事項は全く記載されていない。そして,引用発明2の要件である容器(洗浄液蒸散防止手段)は溶剤に浸されたリボン状の洗浄性材料を収容しており,この容器を含むカートリッジは洗浄装置に対して交換可能に構成されているものであるから,この構成が本件訂正後のクレーム1にいう「洗浄布全体への洗浄液の含浸が(中略)洗浄液蒸散防止手段で覆う前かつ前記洗浄装置に装着する前に行われている」との要件を充足することは明らかである(訂正発明における洗浄液の洗浄布への含浸は,容器を端ぶたで密閉する前に行われておればよいのであって,含浸を容器の中で行うか,容器に収容する前に行うかが,単なる設計事項にすぎないことは,明白というべきである。)。
2 取消事由2(当初明細書記載のクレーム1の進歩性についての判断の誤り)について
原告は,当初明細書記載のクレーム1における「洗浄液を含浸させた前記洗浄布を覆い洗浄液の蒸散を防ぐ洗浄液蒸散防止手段」という記載は、洗浄液の洗浄布への含浸が洗浄布を洗浄液蒸散防止手段で覆う前に行われることを意味する旨主張する。
しかしながら,当初明細書記載のクレーム1における上記記載に,原告主張のような技術的意味を与えることが不可能であることは,1の場合と同様である。
理由
第1原告の主張1(特許庁における手続の経緯),2(本件発明の要旨となる特許請求の範囲の記載)及び3(審決の理由)は,被告も認めるところである。
第2甲第4号証(特許公報)によれば,本件発明の概要は次のとおりであると認められる(別紙図面A参照。)。なお,甲第5号証によれば,本件訂正の内容は,特許請求の範囲1の記載の訂正,これに伴ってそれとの整合性を保つためになされた発明の詳細な説明の記載の訂正及び誤記の訂正に限られ,それ以外の点には及んでいないことが明らかである。
1 技術的課題(目的)
本件発明は,オフセット印刷機のブランケット胴またはグラビア印刷機の版胴等のシリンダ外周面を洗浄する装置に関するものである(2頁左欄9行ないし13行)。
従来のシリンダ洗浄装置は,洗浄液の供給系統に複雑な制御手段を必要とし,かつ,洗浄液のタンク等に大きなスペースを確保しなければならず,装置が高価になる欠点があった(2頁左欄25行ないし28行)。
本件発明の目的は,洗浄液の供給装置を省略したシリンダ洗浄装置を提供することである(2頁左欄30行,31行)。
2 構成
上記の目的を達成するために,本件発明は,その特許請求の範囲記載の構成を採用したものである(1頁左欄2行ないし2頁左欄6行)。
3 作用効果
「本件発明によれば,洗浄装置に装着する前に洗浄液を含浸させた洗浄布が供給され、シリンダ洗浄装置には洗浄液供給系統を設ける必要がなくなるので、その分の制御手段やスペースが不要となる。また、洗浄液を含浸させた洗浄布は、筒状のケースに収納してカセット化するか、通気性が無くごく薄いフィルムをラミネートして供給されるから、洗浄液の蒸散を防止でき、取り扱いが容易になる。」
(3頁左欄22行ないし右欄7行)
第3以上を前提として,原告主張の審決取消事由の当否を検討する。
1 取消事由1(本件訂正を認めなかった誤り)について
原告は,訂正発明の構成は洗浄液の洗浄布への含浸を,洗浄布が洗浄液蒸散防止手段に収納される前に,洗浄装置の外部で行うものである旨主張する。
しかしながら,本件訂正後のクレーム1には「前記洗浄布全体への洗浄液の含浸が前記洗浄液蒸散防止手段で覆う前かつ前記洗浄装置に装着する前に行われていることを特徴とする」と記載されているのみであって,洗浄液の洗浄布への含浸が,洗浄布が洗浄液蒸散防止手段に収納される前に行なわれることも,洗浄装置の外部で行われることも,全く記載されていない。したがって,本件発明の願書に添付された明細書の他の部分や図面により,本件訂正後のクレーム1の上記文言に原告主張のような意味が与えられていることが明確にならない限り,訂正発明の技術内容に関する原告の上記主張は,本件訂正後のクレーム1によって特定される技術内容から乖離することが明らかである。
この点につき,原告は,本件訂正後のクレーム1が原告主張の意味を有することは,当初明細書の「本発明の目的は、洗浄布への洗浄液の供給装置を省略した印刷機のシリンダ洗浄装置を提供することである。」(甲第4号証・特許公報2頁左欄30行,31行),「上記目的は、洗浄現場で洗浄直前に洗浄布の一部に噴射装置等により洗浄液を含浸させるのではなく、洗浄布供給者の工場等において、洗浄布全体に洗浄液を含浸させ密封したものを使用することにより達成される。」(同2頁左欄33行~36行),「洗浄布に洗浄液を含浸させ、洗浄液蒸散防止手段で覆った状態で出荷し、洗浄装置にそのまま装着して用いるので、シリンダ洗浄装置そのものには洗浄液供給系統を設ける必要が無くなり、その分の機構の設置スペースや制御手段が不要となる。」(同2頁右欄17行~21行),「洗浄液を含浸させた洗浄布は、筒状のケースに収納してカセット化するか、通気性が無くごく薄いフィルムをラミネートして供給されるから、洗浄液の蒸散を防止でき、取り扱いが容易になる。」(同3頁右欄4行ないし7行)との記載から明らかである旨主張する。
しかしながら,これらの記載をもって,本件訂正後のクレーム1の上記文言が原告主張の意味を有することを明確にするものとすることができないことは,明らかというべきであり,本件発明の願書に添付された明細書や図面の他の部分をみても,そのようなものを見出すことができない。
一方,甲第3号証によれば,引用例2は,「印刷円筒の掃除装置」に関するものであって,そこには,次のような記載があることが認められる(別紙図面B参照)。
a 「本発明に従う装置は、単一の狭い開口によって外部と連絡している内室の備えられた容器を含み、該容器内にある溶剤で浸されたリボン状洗浄性材料の一部が該開口を通して通過し」(2頁右上欄4行ないし8行)
b 「容器24の内側が円筒状の室として画され、該容器は狭い開口27を通してだけ外部に連絡している。該開口27を通してぬれた紙28のリボンが出ており、紙28は容器24の内側に自由に置かれたロールから解かれて休止位置(中略)と作動位置(中略)の間を動き得る軸30(中略)の上に巻き取られる。」(3頁左上欄13行ないし右上欄6行)
c 「リボンがロール39から全部解出され軸30に巻き取られた時カートリッジを取り換える必要がある。」(4頁右上欄9行ないし11行)
上記記載にいう「容器24」は,単一の狭い開口27を通じてのみ外部に連絡するものであるから,訂正発明の要件である「洗浄液蒸散防止手段」に相当する。そして,容器24は内部に溶剤と紙28のリボン(リボン状洗浄性材料)を収納してカートリッジ化されており,このカートリッジは掃除装置に着脱できるのであるから,上記aないしcの記載によって開示される構成が,本件訂正後のクレーム1にいう「洗浄布全体への洗浄液の含浸が前記洗浄液蒸散防止手段で覆う前かつ前記洗浄装置に装着する前に行われている」との要件を完全に充足することは明らかである。
したがって,訂正発明は,引用発明1及び引用発明2に基づいて当業者が容易に発明できたという以外にないから,本件訂正は認められないとした審決の判断に誤りはない。
付言すると,審決は,訂正発明が,洗浄布全体に洗浄液の含浸を行ってから洗浄液蒸散防止手段に装着するものである旨説示し,それを前提に論を進めているが,本件訂正後のクレーム1は,洗浄液の洗浄布への含浸を洗浄液蒸散防止手段の内部で行ってから同手段を覆う構成を排斥していないことは上述のとおりであるから,審決の上記説示は不正確であり,審決のいわんとするところは,仮に訂正発明が洗浄布全体に洗浄液の含浸を行ってから洗浄液蒸散防止手段に装着するものであるとしても,洗浄液の洗浄布への含浸を洗浄液蒸散防止手段の内部で行ってから同手段を覆うか,洗浄布全体に洗浄液の含浸を行ってから液蒸散防止手段に装着するかは,当業者が適宜選択し得る設計事項にすぎないと,認定判断したのとして理解すべきである。そして,洗浄装置に着脱できる洗浄液蒸散防止手段という技術を前提にした場合,洗浄布全体への洗浄液の含浸は洗浄液蒸散防止手段の内部か外部のいずれかで行うよりほかないのであり,それを内部で行うという一方の発想が容易であるのに対して,それを外部で行うという他方の発想が困難であると考えさせる事情も特に見出せない以上,当業者にとって,いずれを採用するかは,それぞれの長所短所を考えつつ適宜選択し得るものであることは,明らかというべきである。
したがって,この点においても,審決の認定判断に誤りはないということができる。
2 取消事由2(当初明細書記載のクレーム1の進歩性についての判断の誤り)について
原告は,当初明細書記載のクレーム1における「洗浄液を含浸させた前記洗浄布を覆い洗浄液の蒸散を防ぐ洗浄液蒸散防止手段」という記載は,洗浄液の洗浄布への含浸が,洗浄布を洗浄液蒸散防止手段で覆う前に行われることを意味する旨主張する。
しかしながら,当初明細書記載のクレーム1における上記記載に原告主張のような技術的意味を与えることができないことは,1で述べたところに照らして明白であるから,原告の主張は失当である。また,仮に,当初明細書記載のクレーム1における上記記載に原告主張のような技術的意味を与えることができるとしても,洗浄液の洗浄布への含浸を,洗浄布を洗浄液蒸散防止手段で覆う前に行うか,洗浄液蒸散防止手段の内部で行うかは,当業者が適宜選択し得る設計事項にすぎないことも,1で述べたとおりである。いずれにせよ,当初明細書記載のクレーム1の進歩性を否定した審決の判断にも誤りはない。
第4以上のとおり,原告主張の上記審決取消事由はいずれも理由がなく,その他,審決には,これを取り消すべき瑕疵は見当たらない。そこで,審決の取消しを求める原告の請求を棄却することとし,訴訟費用の負担につて行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 山下和明 裁判官 宍戸充)
裁判官 春日民雄は退官につき署名押印できない
<以下省略>